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2019.05.16
働き方・休み方改善指標の活用方法などの最新版を公表(働き方・休み方改善ポータルサイト)
厚生労働省が運営するサイト「働き方・休み方改善ポータルサイト」に、「働き方・休み方改善指標の活用方法(2018年度版)」および「休み方改善取組事例集(平成2019年3月)」が掲載されました。「働き方・休み方改善指標」とは、自社の現状(実態)を把握するための指標で、これを用いて、実態の「見える化」を図りましょう、というものです。
適切な労働時間で働き、きちんと休暇を取得することは、仕事に対する社員の意識やモチベーションを高めるとともに、業務効率の向上にプラスの効果が期待されます。社員の能力がより発揮されやすい環境を整備することは、企業全体としての生産性を向上させ、収益の拡大ひいては企業の成長・発展につなげることができます。
他方、長時間労働や休暇が取れない生活が常態化すれば、メンタルヘルスに影響を及ぼす可能性が高くなり、生産性は低下します。また、離職リスクの上昇や、企業イメージの低下など、さまざまな問題を生じさせることになります。社員のために、そして企業経営の観点からも、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進が求められています。
働き方・休み方を改善するにあたり、まずは自社の労働時間や休暇取得の実態や、どのような課題があるのか、そして働き方・休み方改革を推進するために何に取り組むことが効果的なのかということを把握することが必要です。そこで、企業の皆様が働き方・休み方の改善に向けた検討を行う際にご活用いただくツールとして、新しい「働き方・休み方改善指標」が開発されています。
この指標は社員の労働時間や休暇に関する実態などを「見える化」するとともに、自社において必要な取組内容を多角的な観点から検討いただくためのものであり、パンフレットでは指標の内容や活用方法が紹介されています。調査結果によると、仕事と生活の調和のとれた働き方の実現を経営方針等に掲げている企業では、「労働者の健康の確保・増進」や「労働者の意欲向上」など、社員が健康で意欲的に働けることを重視しています。一方、仕事と生活のバランスに対する社員の認識をみると、仕事と生活のバランスが取れていると感じている人とそうでない人は概ね半々で、バランスが取れていないと感じている人が少なくありません。
仕事と生活のバランスを取ることが難しい背景には、「所定労働時間が長いから」「残業時間が長いから」「年次有給休暇が取りづらいから」など、恒常的な長時間労働や年次有給休暇が取りづらい職場環境があることがうかがえます。企業は長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進のために、具体的にどのような取組を行っているのでしょうか。「働き方・休み方改善指標」のチェックリストのうち、「実態把握」や「情報提供・相談」「方針・目標の明確化」については、取り組んでいる企業が比較的多くなっていますが、「意識改善」や「改善促進の制度化」については、全体的に取組が低調となっています。
また、「仕事の進め方改善」についても、取り組んでいる企業は少ない傾向にあります。働き方・休み方改善を進めるためには、企業の経営トップや人事担当部門等が主導する取組はもちろんのこと、それぞれの職場において管理職を中心に意識改革や仕事の進め方の見直しに取り組むことが不可欠です。
働き方・休み方改善に取り組んでいるが、十分な効果が感じられないという場合は、自社で取り組んでいる内容に偏りがあるかもしれません。働き方・休み方改善を実効性のある取組とするために、「働き方・休み方改善指標」を活用して、自社に必要な取組を多角的な観点で検討してみましょう。
パンフレットでは、まず、「Ⅰ働き方・休み方改革の必要性とポイント」にて、本事業で実施した企業アンケート及び労働者アンケートの結果より、働き方・休み方に関する課題と取組状況を紹介しています。次に、「Ⅲ働き方・休み方改善指標を使ってみましょう」では、今回新たに見直しを行った「働き方・休み方改善指標」について解説を行っています。
指標には、企業向けと社員向けに、それぞれレーダーチャートとチェックリストがあります。企業向けの指標を活用して、課題分析を行うと、診断結果に基づいて企業として優先的に行うべき取組提案が示されますので、自社の課題や取組内容を分析・検討する際の参考となります。また、社員向けの指標は、社員が自身の働き方・休み方を自己診断するために活用するほか、社員全体を対象としたアンケート調査等により、社員の職場環境に対する認識や、日頃の仕事の進め方等を把握し、職場において改善が必要な取組を検討する際にも活用することができます。
詳しくは下記参照先をご覧ください。
- 参照ホームページ [ 働き方・休み方改善ポータルサイト ]
- https://work-holiday.mhlw.go.jp/material/pdf/category1/190405_1.pdf
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2019.05.16
届出等における添付書類及び署名・押印等の取扱いを変更(日本年金機構)
日本年金機構から、「【事業主の皆様へ】届出等における添付書類及び署名・押印等の取扱いの変更について」というお知らせが公表されています。
これは、「「行政手続コスト」削減のための基本計画」(平成29 年6月厚生労働省決定)に基づき、適用事業所が日本年金機構(以下「機構」という。)に提出する届出等における添付書類並びに被保険者とその被扶養者に係る署名及び押印等の取扱いについて、簡略化を行うものです。■遡及した届出等における添付書類の廃止
下記の表の項番1~4に該当する場合に、届出の事実関係を確認する書類として添付を求めていた「賃金台帳の写し及び出勤簿の写し」(被保険者が法人の役員である場合は、取締役会の議事録等)の確認書類について、今後は、事業所調査実施時に確認を行わせていただくため、届出時の添付が不要となりました。■被保険者本人の署名・押印等の省略
下記の表の項番1~4の届書等における被保険者本人の署名(または押印)について、事業主が、被保険者本人の届出の意思を確認し、届書の備考欄に、「届出意思確認済み」と記載した場合は、被保険者本人の署名または押印を省略することが可能となりました。(注)
また、電子申請及び電子媒体による届出においては、事業主が、被保険者本人の届出の意思を確認し、届書の備考欄に「届出意思確認済み」と記載した場合、委任状を省略することが可能となりました。
(注)被保険者本人の署名(または押印)が省略となった場合であっても、届書等の氏名欄の記入は必要です。届出の際は、住民票に登録されている氏名を記入した上で、ご提出ください。詳しくは下記参照先をご覧ください。
- 参照ホームページ [ 日本年金機構 ]
- https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2019/20190422.html
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2019.05.16
平成30年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果
厚生労働省から、「平成30年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果」が公表されています。
今回の重点監督は、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や若者の使い捨てが疑われる事業場などを含め、労働基準関係法令の違反が疑われる8,494事業場に対して集中的に実施されたものです(平成30年11月に実施)。実施結果の概要
①監督指導の実施事業場: 8,494事業場
このうち、5,714事業場(全体の67.3%)で労働基準関係法令違反あり②主な違反内容[①のうち、是正勧告書を交付した事業場]
・違法な時間外労働があったもの:2,802事業場(全体の33.0%)
・賃金不払残業があったもの:463事業場(全体の5.5%)
・過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの:948事業場(全体の11.2%)③主な健康障害防止に係る指導の状況[①のうち、健康障害防止のため指導票を交付した事業場]
・過重労働による健康障害防止措置が不十分なため改善を指導したもの: 4,932事業場(全体の58.1%)
うち、時間外・休日労働を月80時間以内に削減するよう指導したもの:2,216事業場(上記の事業場のうち44.9%。全体では26%)
・労働時間の把握方法が不適正なため指導したもの:1,362事業場(全体の16.0%)過重労働による労災請求があった事業場や若者の使い捨てが疑われる事業場を対象とした監督・指導の結果であり、違反率の高さが目立ちます。
時間外・休日労働については、月80時間を超えていると、監督・指導の対象になる模様です。
これは、過労死等の労災認定の基準に配慮したもので、「脳・心臓疾患の発症前1か月間におおむね100時間または発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外・休日労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いとの医学的知見があるため」ということです。
厚生労働省では、今後も、長時間労働の是正に向けた取組を積極的に行っていくとのことです。詳しくは下記参照先をご覧ください。
- 参照ホームページ [ 厚生労働省 ]
- https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/000504304.pdf
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2019.04.17
厚労省、各企業が策定すべき「健康情報等の取扱規程」ひな型の手引きを公表
働き方改革関連法による労働安全衛生法の改正に基づいて、「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」が策定されました(2019年4月1日適用)。
この指針は、労働者の心身の状態の情報の取扱いに関する原則を明らかにするとともに、事業者が策定すべき取扱規程の内容、策定の方法、運用などについて、とりまとめたものです。この度、この指針の中で策定が求められている取扱規程(「事業場における心身の状態の情報指針に基づき事業場ごとに策定された取扱規程」)について、その策定の手引きが公表されました。この手引きでは、取扱規程のひな形(健康情報等の取扱規程)も紹介されています。
■策定すべき「健康情報取扱規程」の内容とは?
厚生労働省の指針によると「健康情報取扱規程」内で定めるべき内容は主に以下9点です。これらの内容について、自社の状況に合わせて方針を決めることとなります。
(1)心身の状態の情報を取り扱う目的及び取扱方法
→心身の状態を取り扱う目的・方法を定めます。目的は従業員の健康保持などが適切です。人事評価や営利目的で使用されないよう、目的を特定しておくことが重要です。取得方法は「健康診断」や「ストレスチェック」「面接指導」などが該当します。(2)心身の状態の情報を取り扱う者及びその権限並びに取り扱う心身の状態の情報の範囲
→「人事」「上長」など、健康情報を取り扱うことのできる人(ポジション)を定めます。それらの人たちそれぞれに対して「どの範囲まで情報を開示し」「どんな権限を与えるのか」を定めます。(3)心身の状態の情報を取り扱う目的等の通知方法及び本人同意の取得方法
→「口頭」や「書面」など通知の方法を定めます。また、本人同意の取得についても「必ず書面でサインをもらう」などの方法を決めます。(4)心身の状態の情報の適正管理の方法
→取得した情報を、漏洩のリスクがないように、どのように管理するのかを定めます。「健康情報管理責任者の選任」や「健康情報を取り扱う人への教育・研修の実施」「情報はパスワードのかかったサーバーで管理する」など、適正に管理ができるよう具体的に決めておきましょう。(5)心身の状態の情報の開示、訂正等(追加及び削除を含む)及び使用停止等(消去及び第三者への提供の停止を含む)の方法
→情報の開示請求があった場合の対応方法、および従業員から事実と異なるとの指摘が入った場合の訂正・追加・削除の対応方法、さらに使用停止の請求があった場合の対応方法について定めます。(6)心身の状態の情報の第三者提供の方法
→第三者へ提供しない場合はその旨を明記します。もし、第三者に情報を提供する場合は、「どのような場合に」「どのような方法」で提供するのかを定めます。(7)事業承継、組織変更に伴う心身の状態の情報の引継ぎに関する事項
→たとえば「合併などで別の法人に事業が引き継がれる場合」や「組織の大幅な変更がある場合」など、情報の管理者が変わる場合は、どのように情報を引き継ぐのかを決めます。(8)心身の状態の情報の取扱いに関する苦情の処理
→「上司が健康診断の内容を同僚に漏らした」など、健康情報の取扱いについての苦情や相談を受けつける窓口、その後の処理方法を決めます。(9)取扱規程の労働者への周知の方法
→この「健康情報取扱規定」で定めた内容を、どのようにすべての従業員に周知するのかを決めます。衛生委員会、あるいは労使協議の場で上記について方針が決まれば、文書にまとめ「健康情報取扱規程」を作成します。策定した「健康情報取扱規程」は、必ず従業員全体への周知が必要です。これは就業規則や労使協定などと同様の扱いです。必ず、全員がアクセスできる場所に規程を置き、従業員が常に閲覧できる状態にしておかねばなりません。
詳しくは下記参照先をご覧ください。
- 参照ホームページ [ 厚生労働省 ]
- https://www.mhlw.go.jp/content/000497426.pdf
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2019.04.17
改正労基法に関するQ&Aを公表
厚生労働省から「改正労働基準法に関するQ&A」が公表されています。このQ&Aは、2019年4月1日から順次施行される「働き方改革関連法による労働基準法の改正」について、素朴な疑問から、専門的で細かな内容まで、Q&A形式で重要事項がまとめられています。
取り上げられているのは、次の項目です。項目ごとにQ&Aに一部をご紹介します。
1 フレックスタイム制関係
(Q)フレックスタイム制のもとで休日労働を行った場合、割増賃金の支払いや時間外労働の上限規制との関係はどのようになりますか。(A)フレックスタイム制のもとで休日労働を行った場合には、その休日労働の時間は清算期間における総労働時間や時間外労働とは別個のものとして取り扱われ、3割5分以上の割増賃金率で計算した賃金の支払いが必要です。なお、時間外労働の上限規制との関係については、時間外労働と休日労働を合計した時間に関して、①単月100時間未満、②複数月平均80時間以内の要件を満たさなければなりません。
2 時間外労働の上限規制関係
(Q)36協定の対象期間と有効期間の違いを教えてください。(A)36協定における対象期間とは、法第36条の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる期間をいい、1年間に限るものであり、36協定においてその起算日を定めることによって期間が特定されます。これに対して、36協定の有効期間とは、当該協定が効力を有する期間をいうものであり、対象期間が1年間に限られることから、有効期間は最も短い場合でも原則として1年間となります。また、36協定について定期的に見直しを行う必要があると考えられることから、有効期間は1年間とすることが望ましいです。
※なお、36協定において1年間を超える有効期間を定めた場合の対象期間は、当該有効期間の範囲内において、当該36協定で定める対象期間の起算日から1年ごとに区分した各期間となります。3 年次有給休暇関係
(Q)使用者による時季指定の対象となる「有給休暇の日数が十労働日以上である労働者」(法第39条第7項)には、法第39条第3項の比例付与の対象となる労働者であって、前年度繰越分の有給休暇と当年度付与分の有給休暇とを合算して初めて10労働日以上となる者も含まれますか。(A)使用者による時季指定の対象となる「有給休暇の日数が十労働日以上である労働者」(法第39条第7項)は、基準日に付与される年次有給休暇の日数が10労働日以上である労働者が該当するものであり、法第39条第3項の比例付与の対象となる労働者であって、今年度の基準日に付与される年次有給休暇の日数が10労働日未満であるものについては、仮に、前年度繰越分の年次有給休暇も合算すれば10労働日以上となったとしても、「有給休暇の日数が十労働日以上である労働者」には含まれません。
4 労働条件の明示の方法関係
(Q)今回の改正により、電子メール等の送信により労働条件を明示することが可能となりますが、「電子メール等」には具体的にどのような方法が含まれますか。(A)「電子メール等」とは、以下のものが含まれます。
①パソコン・携帯電話端末によるEメール、Yahoo!メールやGmailといったウェブメールサービス、②+メッセージ等のRCS(リッチ・コミュニケーション・サービス)や、SMS(ショート・メール・サービス)、③LINEやFacebook等のSNSメッセージ機能が含まれます。
なお、上記②のRCSやSMSについては、PDF等の添付ファイルを送付することができないこと、送信できる文字メッセージ数に制限等があり、また、前提である出力による書面作成が念頭に置かれていないサービスであるため、労働条件明示の手段としては例外的なものであり、原則として上記①や③による送信の方法とすることが望ましいです。
また、労働者が開設しているブログ、ホームページ等への書き込みや、SNSの労働者のマイページにコメントを書き込む行為等、特定の個人がその入力する情報を、電気通信を利用して第三者に閲覧させることに付随して、第三者が特定個人に対し情報を伝達することができる機能が提供されるものについては、「電子メール等」には含まれません。5 過半数代表者関係
(Q)労働者の過半数を代表する者が労使協定等に関する事務を円滑に遂行することができるようにするために、使用者に求められる「必要な配慮」(則第6条第4項)にはどのようなものが含まれますか。(A)則第6条第4項の「必要な配慮」には、例えば、過半数代表者が労働者の意見集約等を行うに当たって必要となる事務機器(イントラネットや社内メールを含みます。)や事務スペースの提供を行うことが含まれます。
6 その他
(Q)労働者が海外企業に出向する場合や、出向先で役員となる場合の時間外労働の上限規制及び年次有給休暇の時季指定義務の考え方を教えてください。(A)ご質問については、個別の事情に応じて判断されるものですが、一般的には、いずれの場合も出向先において法が適用されないため、出向している期間については、時間外労働の上限規制及び年次有給休暇の時季指定義務の対象とはなりません。また、労働者が海外企業に出向する場合や、出向先で役員となる場合は、年次有給休暇の時季指定義務については、出向前の期間(すなわち、法が適用される期間)において、労働者に5日の年次有給休暇を取得させる必要があります。(ただし、海外企業に在籍出向する場合においては、出向元、出向先、出向労働者三者間の取り決めにより、出向前の基準日から1年以内の期間において、出向の前後を通算して5日の年次有給休暇の時季指定を行うこととしても差し支えありません。)
これまでに、通達やパンフレットでも紹介されているQ&Aも含まれていますが、全体をとおして確認しておくことをお勧めいたします。
- 詳しくは下記参照先をご覧ください。
- 参照ホームページ [ 厚生労働省 ]
- https://www.mhlw.go.jp/content/000487097.pdf